令和6年度(令和5年分)以降の国外居住親族に係る扶養控除等の適用について
国外居住親族に係る扶養控除等の適用については、所得要件の判定に国内源泉所得が用いられており、国外で一定以上の所得を稼得している親族でも対象とされている課題を踏まえ、令和2年度の税制改正において、適用対象となる親族の年齢要件が見直されました。
これにより、留学生や障害者、送金関係書類において38万円以上の送金等が確認できる者を除く年齢30歳以上70歳未満の日本国外の居住者について、令和6年度の市民税・県民税より扶養控除の適用対象から除外することとなります。
詳細は、国税庁ホームページ「国外居住親族に係る扶養控除等の適用について」(別ウインドウで開く)をご覧ください。
国外居住親族に係る扶養控除等の申告をする際の必要書類
国外居住親族に係る確認書類区分 | 提出または提示が必要な書類 |
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留学生 | ・留学ビザ等書類 ・親族関係書類 ・送金関係書類 |
障害者 | ・障害者を証する書類 ・親族関係書類 ・送金関係書類 |
38万円以上の送金を受けている者 | ・親族関係書類 ・38万円送金書類 |
30歳未満または70歳以上の者 | ・親族関係書類 ・送金関係書類 |
外国語で作成されている書類は、日本語での翻訳文も添付又は提示が必要です。
※障害者とは、次の1から8までのいずれかに該当する人をいいます。
- 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある人
- 児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター又は精神保健指定医から知的障害者と判定された人
- 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の規定により精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人
- 身体障害者福祉法の規定により交付を受けた身体障害者手帳に、身体上の障害がある者として記載されている人
- 戦傷病者特別援護法の規定により戦傷病者手帳の交付を受けている人
- 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律第11 条第1項の規定による厚生労働大臣の認定を受けている人
- 常に就床を要し、複雑な介護を要する人
- 精神又は身体に障害のある年齢 65 歳以上の人で、その障害の程度が上記の1、2又は4に該当する人と同程度である人として市町村長、特別区の区長や福祉事務所長の認定を受けている人
したがって、例えば、外国政府等から身体障害者手帳に相当する手帳の交付を受けている場合であっても、上記のいずれにも該当しない場合には、障害者に該当しないことになります(外国において交付を受ける障害者手帳は、日本において発行されるものではないことから、上記の4には該当しません。)。
「親族関係書類」とは
「親族関係書類」とは、次の1または2のいずれかの書類で、国外居住親族が納税者の親族であることを証するものをいいます。
- 戸籍の附票の写しなど日本国または地方公共団体が発行した書類および国外居住親族の旅券(パスポート)の写し
- 外国政府または外国の地方公共団体が発行した書類(国外居住親族の氏名、生年月日および住所または居所の記載があるものに限ります。)(戸籍謄本その他これに類する書類、出生証明書、婚姻証明書など)
【 注意 】
- 国外居住親族の旅券の写しを除き、原本の提出または提示が必要です。
- 一つの書類だけでは、国外居住親族の氏名、生年月日および住所または居所の全てが記載されていない場合や、国外居住親族が納税者の親族であることを証明することができない場合は、複数の書類を組み合わせることにより証明する必要があります。
「送金関係書類」とは
「送金関係書類」とは、次の1または2のいずれかの書類で、その年において納税者が国外居住親族の生活費または教育費に充てるための支払を必要の都度、原則として各人に行ったことを明らかにするものをいいます。
- 金融機関が発行した書類またはその写しで、その金融機関が行う為替取引により納税者から国外居住親族に支払をしたことを明らかにする書類(外国送金依頼書の控えなど)
- いわゆるクレジットカード発行会社が発行した書類またはその写しで、国外居住親族がそのクレジットカード発行会社が交付したカードを利用して商品の購入や役務提供を受けたことに対する支払をしたことにより、その代金に相当する額の金銭を納税者から受領し、または受領することとなることを明らかにする書類(いわゆる家族カードに係るクレジットカードの利用明細書など)
【 注意 】
- 送金関係書類については、原本に限らずその写しの提出または提示も認められています。
- クレジットカードの利用明細書とは、納税者がクレジットカード発行会社と契約を締結し、国外居住親族が使用するために発行されたクレジットカードで、その利用代金を納税義務者が支払うこととしているもの(いわゆる家族カード)に係る利用明細書をいいます。この場合、その利用明細書は家族カードの名義人となっている国外居住親族に係る送金関係書類として取り扱います(クレジットカードの名義人の氏名、利用日、利用内容および利用代金の支払者が納税者であること等についてわかるもの)。
- 知り合いの方に依頼して生活費等を現金で国外扶養親族に渡している場合などは、送金関係書類がないことになり、扶養控除等の適用を受けることができませんのでご注意ください。
- 複数の国外居住親族について扶養控除等の適用を受ける場合は、その親族ごとに送金等を行うことが必要となります(例えば、配偶者と子(扶養控除対象者)が国外扶養親族に当たる場合で、配偶者に一括して生活費を送金しているときは、その送金関係書類は配偶者に係る送金関係書類には該当しますが、子に係る送金関係書類には該当しないこととなりますのでご注意ください)。
- 送金関係書類については、扶養控除等の適用を受ける年に送金等を行った全ての書類を提出または提示する必要があります。ただし、同一の国外扶養親族への送金等が年3回以上となる場合には、一定の事項を記載した明細書の提出とその国外扶養親族へのその年最初と最後に送金等した際の送金関係書類の提出または提示をすることにより、それ以外の送金関係書類の提出または提示を省略することができます。なお、この場合は提出又は提示を省略した送金関係書類を保管する必要があります。
「留学ビザ等書類」とは
「留学ビザ等書類」とは外国政府又は外国の地方公共団体が発行した次の1又は2の書類で、国外居住者である親族が外国における留学の在留資格に相当する資格をもってその外国に在留することにより国内に住所及び居所を有しなくなった旨を証するものをいいます。
- 外国における査証(ビザ)に類する書類の写し
- 外国における在留カードに相当する書類の写し
「38万円送金書類」とは
「38万円送金書類」とは「送金関係書類」のうち、あなたから国外居住者である親族各人へのその年における支払の金額の合計額が38万円以上であることを明らかにする書類をいいます。
【 注意 】
- 38万円送金書類については、扶養控除等の適用を受ける年に送金等を行った全ての書類を提出または提示する必要があります。ただし、同一の国外居住親族への送金等が年3回以上となる場合には、一定の事項を記載した明細書の提出とその国外居住親族へのその年最初と最後に送金等した際の送金関係書類の提出または提示をすることにより、それ以外の送金関係書類の提出または提示を省略することができます。なお、上記の「その年最初と最後に送金等した際の書類」に係る送金等の額の合計額が38万円未満であるときは、この「その年最初と最後に送金等した際の書類」に加えて、その年の送金等の額の合計額が38万円以上であることが明らかとなる分の書類の提出又は提示をする必要があります。また、この場合は提出又は提示を省略した送金関係書類を保管する必要があります。
令和5年度(令和4年分)までの国外居住親族に係る扶養控除等の適用について
平成27年度税制改正で、日本国外に居住する親族(国外居住親族)に係る扶養控除等の適正化の観点から、所得税の確定申告や個人住民税の申告等において、国外居住親族に係る扶養控除・配偶者控除・配偶者特別控除・障害者控除(16歳未満の扶養親族含む)の適用を受ける者は、「親族関係書類および送金関係書類(これらの書類が外国語で作成されている場合には、その翻訳文を含む。)を添付または、提示しなければならない」こととされました。
この改正は平成28年分以降に支払われる給与および公的年金、平成29年度以降の個人住民税(平成28年分以降の所得税)から適用されます。
- 16歳未満の国外居住親族がいて、個人住民税の非課税限度額制度(人的非課税制度)の適用を受ける場合も「親族関係書類および送金関係書類」の提出または提示が必要となります。
- 給与等もしくは公的年金等の源泉徴収または、給与等の年末調整の際に、国外居住親族(16歳未満の扶養親族を含む)に係る「親族関係書類および送金関係書類」を扶養控除等申告書に添付または提示している場合は除きます。