あしあと
平成26年度税制改正で給与所得控除の見直しがされ、給与所得控除の上限が適用される給与収入1,500万円(控除額245万円)を「平成28年分は1,200万円(控除額230万円)に、平成29年分以降は1,000万円(控除額220万円)に引き下げる」こととされました。
現行 | 改正後 | ||
平成26年度から平成28年度の住民税 (平成25年分から平成27年分の所得税) | 平成29年度の住民税 (平成28年分の所得税) | 平成30年度以降の住民税 (平成29年分以降の所得税) | |
上限額が適用される給与収入 | 1,500万円 | 1,200万円 | 1,000万円 |
給与所得控除の上限額 | 245万円 | 230万円 | 220万円 |
現行 | 改正後 | |||||
平成26年度から平成28年度の住民税 (平成25年分から平成27年分の所得税) | 平成29年度の住民税 (平成28年分の所得税) | 平成30年度以降の住民税 (平成29年分以降の所得税) | ||||
収入金額(A) | 給与所得金額 | 収入金額(A) | 給与所得金額 | 収入金額(A) | 給与所得金額 | |
0~650,999 | 0 | 0~650,999 | 現行に同じ | 0~650,999 | 現行に同じ | |
651,000~1,618,999 | A-650,000 | 651,000~1,618,999 | 651,000~1,618,999 | |||
1,619,000~1,619,999 | 969,000 | 1,619,000~1,619,999 | 1,619,000~1,619,999 | |||
1,620,000~1,621,999 | 970,000 | 1,620,000~1,621,999 | 1,620,000~1,621,999 | |||
1,622,000~1,623,999 | 972,000 | 1,622,000~1,623,999 | 1,622,000~1,623,999 | |||
1,624,000~1,627,999 | 974,000 | 1,624,000~1,627,999 | 1,624,000~1,627,999 | |||
1,628,000~1,799,999 | A÷4=B 端数切捨て) | B×2.4 | 1,628,000~1,799,999 | 1,628,000~1,799,999 | ||
1,800,000~3,599,999 | B×2.8-180,000 | 1,800,000~3,599,999 | 1,800,000~3,599,999 | |||
3,600,000~6,599,999 | B×3.2-540,000 | 3,600,000~6,599,999 | 3,600,000~6,599,999 | |||
6,600,000~9,999,999 | A×0.9-1,200,000 | 6,600,000~9,999,999 | 6,600,000~9,999,999 | |||
10,000,000~14,999,999 | A×0.95-1,700,000 | 10,000,000~11,999,999 | A×0.95-1,700,000 | 10,000,000~ | A-2,200,000 | |
15,000,000~ | A-2,450,000 | 12,000,000~ | A-2,300,000 |
給与所得控除の上限額の引き下げに伴い、一律に前年中の特定支出合計額が給与所得控除額の2分の1に相当する額を超える場合は、その超える額を給与所得控除額に加算できます。
給与収入金額 | 適用判定の基準となる特定支出の合計額 | |
現行 | 改正後 | |
平成28年度以前の住民税 (平成27年分以前の所得税) | 平成29年度以降の住民税 (平成28年分以降の所得税) | |
1,500万円以下 | 給与所得控除額の2分の1 | 給与所得控除額の2分の1 |
1,500万円超 | 125万円 |
平成27年度税制改正で、日本国外に居住する親族(国外居住親族)に係る扶養控除等の適正化の観点から、所得税の確定申告や個人住民税の申告等において、国外居住親族に係る扶養控除・配偶者控除・配偶者特別控除・障害者控除(16歳未満の扶養親族含む)の適用を受ける者は、「親族関係書類および送金関係書類(これらの書類が外国語で作成されている場合には、その翻訳文を含む。)を添付または、提示しなければならない」こととされました。
この改正は平成28年分以降に支払われる給与および公的年金、平成29年度以降の個人住民税(平成28年分以降の所得税)から適用されます。
※16歳未満の国外居住親族がいて、個人住民税の非課税限度額制度(人的非課税制度)の適用を受ける場合も「親族関係書類および送金関係書類」の提出または提示が必要となります。
※給与等もしくは公的年金等の源泉徴収または、給与等の年末調整の際に、国外居住親族(16歳未満の扶養親族を含む)に係る「親族関係書類および送金関係書類」を扶養控除等申告書に添付または提示している場合は除きます。
親族関係書類とは、次の1または2のいずれかの書類で、国外居住親族が納税者の親族であることを証するものをいいます。
【 注意 】
送金関係書類とは、次の1または2のいずれかの書類で、その年において納税者が国外居住親族の生活費または教育費に充てるための支払を必要の都度、原則として各人に行ったことを明らかにするものをいいます。
【 注意 】
これまで公社債等については、利子・譲渡・償還によって課税の仕組みが異なっていましたが、平成25年度税制改正において、税負担に左右されずに金融商品を選択できるよう、異なる税率等の課税方式の均衡化を進める観点から、株式等の課税方式と同一化することとされました。
また、特定公社債等の利子および譲渡損益ならびに上場株式等の金融商品間の損益通算範囲を拡大し、3年間の繰越控除ができることとされました。
この改正は平成29年度個人住民税(平成28年分所得税)から適用されます。
公社債については、特定公社債等と一般公社債等に区分した上で、課税方式が変更されます。
※特定公社債等とは、国債、地方債、外国国債、公募公社債、上場公社債、平成27年12月31日以前に発行された公社債などの一定の公社債をいいます。
特定公社債等 | 一般公社債等 |
特定公社債 | 特定公社債以外の公社債 |
公募公社債投資信託の受益権 | 私募公社債投資信託の受益権 |
証券投資信託以外の公募公社債投資信託の受益権 | 証券投資信託以外の私募公社債投資信託の受益権 |
特定目的信託の社債的受益権での公募のもの | 特定目的信託の社債的受益権での私募のもの |
【 注意 】
内容 | 所得区分 | 現行 | 改正後 | |
~平成27年12月31日 | 平成28年1月1日~ | |||
公社債等 | 特定公社債等 | 一般公社債等 | ||
利息・利子 | 利子所得 | 源泉分離課税(申告不要) 20%(所得税15%、住民税5%) | 申告分離課税 20%(所得税15%、住民税5%) ・申告不要とした場合、譲渡損失との 損益通算はできません。 | 源泉分離課税(申告不要) 20%(所得税15%、住民税5%) |
売却益・譲渡損益 | 譲渡所得 | 非課税 | 譲渡所得として申告分離課税 20%(所得税15%、住民税5%) ・源泉徴収あり特定口座は申告不要 ・確定申告により3年間損失の繰越 控除が可能 | 譲渡所得として申告分離課税 20%(所得税15%、住民税5%) |
償還差益 | 雑所得 | 総合課税 (所得税18%、住民税非課税) |
【 注意 】
平成28年1月1日以降は、次の1と2の区分による別々の分離課税制度に改組されます。
※従来可能であった上場株式等と一般株式等(未上場株式等)の間での損益通算はできなくなります。
区分 | 各区分内の損益通算 | 各区分内の繰越控除 | |
1 | 特定公社債および上場株式等に係る譲渡所得等の分離課税 (申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得との損益通算も可能) | できる | できる |
2 | 一般公社債等および一般株式等(未上場株式等)に係る譲渡所得等の分離課税 | できる | できない |
詳しくは、特定口座等を取り扱う金融商品取引業者等、税務署へ問い合わせてください。
医療保険各法等の規定により療養の給付として支給される薬剤との代替性が特に高い一般用医薬品等の使用を推進する観点から、居住者が平成29年1月1日から平成33年12月31日までの間に自己または自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る特定一般用医薬品等購入費を支払った場合において当該居住者がその年中に健康の保持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行っているときにおけるその年分の医療費控除については、その者の選択により、その年中に支払った特定一般用医薬品等購入費の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補塡される部分の金額を除きます。)の合計額が1万2千円を超えるときは、その超える部分の金額(8万8千円を限度)を、控除額とすることができることとされました。