あしあと
話す力やことばの理解、形を認識する力や状況を理解する力などの知能的な能力が年齢に比して全般的に低いレベルにあり、社会生活をしていく上で理解と支援が必要な状態を精神遅滞(知的障がい)といいます。知的能力を心理判定テストで評価し、IQ35以下は重度精神遅滞、IQ35~50は中度精神遅滞、IQ50~70は軽度精神遅滞とされます。IQ70~85は境界領域知能とされ、明らかな知的障がいとはいえず、環境を選べば、自立して社会生活ができると考えられますが、状況によっては理解と支援が必要なレベルとなります。
広汎性発達障がいは、自閉性障がい・レット障がい・小児期崩壊性障がい・高機能自閉症・アスペルガー症候群等があり、特徴としては言語の発達の遅れや、対人面での感情的な交流の困難さ、反復的な行動を繰り返す、行動様式や興味の対象が極端に狭いなど、さまざまです。知的能力が低くない自閉症を高機能自閉症と呼び、一部の分野で驚異的な能力を有する場合もあります。その驚異的な能力を有するものをサヴァン症候群と呼びます。サヴァン症候群はカレンダーを見ずに何千年もまえの特定の日の曜日を瞬時に答えるなどの能力を持つ場合があります。
学習障がいとは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算するまたは推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示すさまざまな状態を指すものです。生まれつきの中枢神経の働きの障がいによるものと考えられます。学習障がいは、他のハンディキャップ(たとえば、感覚の障がい、精神遅滞、社会性や情緒の障がいなど)や不適切な環境(文化的な違い、望ましくない教育など)からも生じますが、そのようなハンディキャップや環境から直接生じるものではないといわれています。
注意欠陥・多動性障がいは多動性、不注意、衝動性を症状の特徴とする発達障がいの一つと言われていますが、行動障がいに分類されています。じっとしている等の社会的ルールが増加する、小学校入学前後に発見される場合が多いです。一般に遺伝的原因があるとされますが、他に適当な診断名がなく同様の症状を示す場合を含みます。注意力を維持しにくい、時間感覚がずれている、さまざまな情報をまとめることが苦手などの特徴があります。